定義できない人とは議論できない
維新が負けたのがシルバーデモクラシーのせいなのか、違うのか、という記事を書く人がいる。*1
橋下市長の敗因が「シルバーデモクラシー」ではない件について。
シルバーデモクラシーに敗れた大阪都構想に、それでも私は希望の灯を見たい | おときた駿
こういう議論を見て思うのは、議論の前になんで言葉の定義を明確にしないのか?ということ。書いていることは結局「シルバーデモクラシー」という言葉の定義が異なるだけ。言葉遊びに過ぎなくて、長々書くのもバカバカしい。
以下が辞書的な定義だが、これらの定義と、記事の議論において、ゆれが少なくとも2点、ある。
シルバー民主主義とは - 新語時事用語辞典 Weblio辞書
少子高齢化が進行する社会において、有権者全体を占める高齢者の割合が増加し、多数派である高齢者向けの政策が優先的に考えられる状態。
シルバー民主主義(しるばーみんしゅしゅぎ)とは - コトバンク
高齢化社会の進展に伴い、政治家が高齢者を重視した政策を打ち出さなければならなくなり、現役労働者である若年・中年層よりも、引退し年金を受け取っている高齢者を優遇せざるを得ないという政治状況になりつつある。
有権者のうち、高齢者が占める割合が高いため、高齢者の意見が過剰に政治に反映されやすい状態を指す。
有権者の高齢化と、若年有権者の低投票率とが相まって、高齢有権者の政治的プレゼンスが高まり、政治がそれを過剰に意識してしまう現象
ゆれは、 1.高齢者が高い、ということを「過半数」とみなすか? 2.有権者数、という言葉の解釈に投票率の要素を入れるか?
残念ながら原著を読んだだけではないが、元々の定義は 1. 過半数、を要求せず 2. 投票率を加味しない ものだと思われる。その上で、各人の議論を読むべき。言葉の定義が違うと議論にならない。世の中の議論は、「定義の曖昧さ」から来ることが多すぎる。特に俗にいう文系。オレオレ定義のオレオレ主張にはうんざり。
*1:リンクは適当に見繕っただけで特に他意はない。